秀英予備校、いよいよ福岡進出 2009年までに20校

秀英予備校の渡辺武社長は「私塾界」のインタビューで繰り延べになっていた福岡進出について「2009年までに20校を目標に新設したい」と答えたそうです。

秀英予備校の福岡進出は昨年2007年の6月でしたか、「2008年3月にも福岡市に新校舎を開設し、2~3年で福岡県内に20校ほど作りたい」としていました。

私塾界が「繰り延べになっていた」と表現しているのは、そういう意味です。

すでに秀英予備校の沿革では「平成20年 福岡県、福島県進出」と書かれており、秀英お得意の「無料講習」戦略などで一気に校舎展開をしていきそうです。

2007年は、学習研究社が北九州市の学習塾「照和学館」を子会社化し、東海地方が本拠の佐鳴予備校が九州・山口で展開する学習塾「九大進学ゼミ」を傘下に収めたことはすでに詳しく書きました。

佐鳴予備校、秀英予備校ともに、公立高校合格の実績がメイン塾ですから、そのシェア争いは熾烈なものになるでしょう。九州が地盤の英進館、全教研、昴などがこの上場企業の侵攻に耐えられるか、もしくは再編して飲み込まれるのか。

九州の公立中学3年生の通塾率は、
福岡57%
長崎52%
佐賀51%
熊本50%
大分50%
鹿児島47%
宮崎40%

の順で、いずれも全国平均60%を下回ってりそうですが、大手塾の進出で通塾率はアップすると思われます。

さて、秀英予備校の話です。

ご存じのように秀英予備校は、東証1部に上場する小中高一貫の予備校で、2007年3月期まで12期連続増収を続ける塾です。すでに静岡・北海道・宮城・神奈川・山梨・愛知・岐阜・三重に200校舎以上を展開し、2008年には福岡、福島への進出ということになります。

秀英予備校の時系列全国展開への歩み
昭和52年 創業、静岡県全域へ展開
平成元年 愛知県進出
平成2年 大学受験部を設立
平成4年 山梨県進出
平成11年 神奈川県進出
平成14年 東証1部上場
平成15年 通信教育事業開始
平成16年 岐阜県進出
平成17年 北海道進出
平成18年 三重県進出
平成19年 宮城県進出
平成20年 福岡県、福島県進出

秀英予備校は、講習会を無料にする戦略をとり、一度に十数校開校を一気に開校し、地元塾の地盤を鷲掴みにする戦略を行うことはよく知られています。北海道では2年間で20校舎を設置したりもしました。

昨年2007年の夏、秀英予備校は宮城県の仙台ほか近隣地区にいきなり8校を開校。講習は小学5年から中学3年生を対象に8日から10日間実施し、その費用が1000円から3150円というテキスト代以外事実上無料で進出を果たしました。テレビでも夏期講習が無料戦争として大きく報じられました。

この0円無料講習会で一気に受講生を呼び込み、夏休み明けの有料の通常授業に継続通塾させて採算を取る戦略で資金力のある秀英予備校ならではといえます。この秀英予備校の無料戦争に対し、当然ながら地元の塾も対抗し、同じく無料講習を行いました。

この地元の対応は、2年前2005年に秀英予備校が北海道に進出したときに無料講習、低価格競争に乗らなかった地元塾が軒並み経営危機に陥ったという事例からそうせざるを得なかったといえます。

「同じ轍は踏みたくない」という地元塾。しかしこの無料講習の戦いは、まさに消耗戦で経営基盤の弱い小規模な地元塾は厳しい状況に置かれるのは間違いありません。

九州に地盤を置く英進館、全教研、昴は小規模塾とは言えませんが、一部上場企業の資金力は侮れないところでしょう。

2008年、2009年、大手塾対地元塾の激烈な戦いはますます熱くなりそうです。


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