福岡県県立高入試 出題傾向と分析

毎日新聞 2008年3月13日
今回の福岡県立高校の入試問題について、県内を中心に九州各地で教室を展開する進学塾「英進館」(総本部・福岡市中央区今泉)に分析してもらった。

◇例年通り基本的、総合力を問う--英語

例年通り、基本的な英語総合力を問われる問題が出題されている。難易度は昨年並みである。

[1]のリスニングでの値段と数を正確に聞きとり、かつ計算する問題は応用力を必要とする良問であった。[2]の会話文は昨年までと傾向が変わったが、難易度は標準的なものであった。[3]の対話文の問3は、特に読解力と文法事項の理解がなければ正解するのは難しいであろう。[4]の長文は不定詞など、中学2、3年の単元からの出題が目立った。[5]の条件英作文は「科目」「スポーツ」といった身近なテーマなので書きやすかったのではないか。

◇単元、形式など 昨年とほぼ同様--国語

出題単元や形式、難易度とも昨年とほぼ同様。[一]と[三]の最後の設問は、それぞれ生徒のノート、感想文を完成させるという形で要旨や主題を問い、国語学習の模範を示す良問である。

[一]の論説文は、文章構成を踏まえて考えさせるという出題意図が明確であった。

[二]の古文は、反語表現を含む和歌の大意を読み取らせる問題が、やや難しかった。

[三]の随筆文は、心情や比喩(ひゆ)の文学的な表現が問われ、細かな読み取りが必要である。

[四]の作文は、二つの題材を提示したうえで他案の良さも認めながら、自分の意見を主張するという論の進め方が、昨年同様で取り組みやすかった。

◇難易度はアップ、小問増える傾向--数学

出題形式は従来通りだが、難易度は例年よりややアップした。

[1]は昨年と同じ24点満点。[2]も2年続けて二次方程式の文章題の出題。Xの値を求めることは易しいが、木の本数を求める作業が必要なため、戸惑った受験生も少なくないと思われる。

[3]は整数の性質の証明問題。[4]は一次関数と二次関数の融合問題で、(1)、(2)は教科書レベル。(3)で加点できるかどうかで差がつく。

[5]の(3)は非常に難易度が高く、学力差が顕著に現れる設問。[6]の立体図形は、例年と変わらない出題で比較的取り組みやすかったのでは。ここ数年、差のつく小問が増え、学力差を測るにはよい傾向といえる。

◇文章記述が難化、作図は2問出題--理科

出題形式は例年通りで、難易度も昨年とほぼ同様。文章記述が難化したが、選択問題は解答に迷うものは少なかった。作図は2問出題されている。

[1]の生物の文章記述では、光合成と葉のつくりの関係について考察させている。[3]の化学では、昨年出題されなかった化学反応式が出題されたのが特徴的である。[5]の地学では、津波の発生原因を問う記述問題が難しい。[7]の物理では、音の波形を作図させる良問が出題され、音の高低・強弱と波形の関係が問われている。

実験・観察を題材に総合的知識と科学的思考力が求められる。

◇文章記述が増加、難問も数問出題--社会

文章記述問題が昨年の6問から8問に増えた。数問ではあるが、難問も見られた。

地理の[3]では「正距方位図法は中心からの距離と方位が正しい」という特色を理解しているかが問われ、事前に解いていない生徒には難しかった。

歴史では、年代に関する問題が3題出題され、歴史の流れを把握しているかが問われた。公民では、裁判員制度や地球環境問題など、最近の社会事象に関する良問が出題されている。[6]の文章記述問題は、複数の資料を読み取る前年の設問から、地理・歴史・公民の3分野の基本事項の表現力を問う問題へと変わった。

http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20080313ddlk40100075000c.html


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